2006年度アンケート結果

・アンケート実施期間
成人診療室　　　　2006年1月16日～2006年1月24日
小児・矯正診療室　2006年1月16日～2006年1月26日

・アンケート目標総数
成人診療室　　　　　　500名
小児・矯正診療室　　　200名
合計　　　　　　　　　700名

・アンケート実際総数
成人診療室　　　　　　501名
小児・矯正診療室　　　200名
合計　　　　　　　　　701名

・アンケート方法
受付にてアンケート用紙を受付にて来院患者全員に配布。
解答後に回収しました。

・アンケート項目

①あなたは歯科医院を選ぶ時にどのような点を重視していますか？複数回答可。
□評判 　　　　　　　□家や会社からの距離　　　　□駐車場があること　
□料金面　　　　　　　□歯科医療サービスの技術　　□予防を重視する医院
□ 小児歯科があること □矯正を行っていること　　　□スタッフの対応　　　
□歯科医師の対応　　　□歯科医院の設備　　　　　　□清潔さ、環境
□丁寧な説明　　　　 □予約のとりやすさ　　　　 □その他　（　　　　）

②あなたは当診療所をどのようにして知りましたか？　複数回答可。
□家族、知人　□テレビ　□新聞、雑誌、本など　□インターネット　□その他

③当診療所の歯科医療サービスに満足していますか？
□満足である　　　□どちらでもない　　　□不満である

④　当診療所のどの歯科医療サービスに満足していますか？　複数回答可。
□ 治療　□メインテナンス（定期検診）　□治療とメインテナンス　
□その他

⑤　③④の質問で「不満」「その他」と答えた人のみ解答してください。
不満の理由は何ですか？またその他とは何ですか？
（　　　　　　　　　　）

⑥当診療所を今後も利用していきたいと思っていますか？
□はい　　　　　　□いいえ

⑦　⑥の質問で「いいえ」と答えた人のみ解答してください。
今後は利用したくない理由は何ですか？
（　　　　　　　　　　）
⑧当診療所のことを知人に伝えたいと思いますか？
□はい　　　　　　□いいえ

⑨　⑧の解答の理由を教えて下さい。
（　　　　　　　　　　）

⑩　当診療所の待ち時間についてお伺いします。
⑪診察までの待ち時間はどうですか？
□長い　　　　　□ちょうど良い　　
⑫診察後、会計までの待ち時間はどうですか？
□長い　　　　　□ちょうど良い

⑬　12月15日に放送された「難問解決! ご近所の底力」を見ましたか？
□見た　　　　　□見ていない

⑭　それを見てどう思いましたか？
（　　　　　　　　）

⑮　他に何か気付く点、ご要望等がありましたら自由にお書き下さい
（　　　　　　　　）

２００６年１月実施アンケートの結果から

今年も恒例の患者アンケートを実施させていただきました。今回も多くの皆様にご協力いただきましたことを改めて感謝申し上げます。いただいたご意見をこれからの日吉歯科診療所の日常診療の向上に反映させ、多くの方々に信頼してきていただけるような診療所作りを心がけてまいります。

さて、アンケートの結果からは、多くの皆様にこの診療所の理念や診療方針をよくご理解いただいていることが分かり、大変嬉しく思いますと同時に、責任の重さも痛感いたしております。いくつかのご意見やご要望については、この場を借りて、診療所としての対応や考えを述べさせていただきたいと思います。

アンケートでは大多数の方には好意的なご意見をいただいていましたが、結果を整理してみると、今回は二つのことについてご意見やご要望のあることが分かりました。一つは予約や診療時間について、もう一つは治療やメインテナンスにかかる費用や料金についてでした。まず、この二つのことから診療所としての考え方や対応についてご返答したいと思います。

（予約や診療時間について）
・ いつも混んでいて予約がとりづらい
・ 週末の予約が特にとりにくい
・ 都合で予約をキャンセルしたとき、次の予約を取るのが大変だ
・ 予約がとりにくいために、治療期間が長くなってしまう傾向がある
・ 予約が希望の時間・曜日でもう少しスムーズにとれると嬉しい
・ 土日も診療をしてもらえないか
・ もう少し遅くまで診療時間をのばして欲しい
・ 知人に日吉歯科を勧めたが、予約がとりにくいので行きづらいといわれた

日吉歯科診療所では現在１７台の診療用ユニットで、治療やメインテナンスを行っています。１７台の診療ユニットを持っている診療所は個人の診療所としてはかなりの大規模診療所なのですが、幸いなことに来院を希望される患者さんは年々増加しているために、２年前に５台の診療ユニットを増設したにもかかわらず、曜日や時間帯によっては大変予約のとりにくい状況があります。
この状態を根本的に解消するためには、診療ユニットや人員の増加をはかるしかありませんが、現状での早急な対応は難しい状況にあります。

また、診療時間の延長や土日診療の件につきましては、昨年のアンケート調査の結果でも述べましたように、実施するためにはシフト制をとらなければなりませんが、現状の人員ではシフト制に移行することは無理な状況で、これも実現するにはかなり難しい問題です。ただ、この件で一番問題なのはシフト制が可能かどうかいうことではなく、日吉歯科診療所における診療の安全性の確保であることをご理解いただきたいと思います。
歯科医療は基本的に外科治療の範疇に入る診療科です。麻酔の使用頻度も高く、いろいろな意味で身体に侵襲の大きな処置を行うことも多々あります。その様な中で私達が日常診療で一番配慮していることは、診療中の偶発的な事故の防止です。たとえば、患者さんが疲れていたり大きなストレスを抱えているときは偶発的な事故や問題が起こりやすくなるのは明らかです。
もちろん術者側に疲労やストレスがある場合も同様です。そのような意味では、夜間の歯科診療は大きな危険を伴うと考えていますので、できれば避けたいというのが本音です。

現在日吉歯科の小児矯正部署においては、歯列矯正治療の患者さんのために月三回、土曜日の午後も診療時間を拡大して対応しています。また、夜間診療ではなく、現在の診療開始時間より早い時間帯からの診療が可能かどうか検討しています。出勤前にメインテナンスを受けることが可能になれば、夕方の時間帯の混雑が少し解消できるかもしれません。

しかし、毎日の予約状況を見ておりますと、時間帯によってはかなり先まで混んでいることも事実ですが、時間を少しずらしていただくことで割にスムーズに予約が取れることも可能です。患者の皆様には、そのあたりをご理解いただいた上でご協力をいただければ大変有り難いと思います。

（診療にかかる料金について）
・ メインテナンスの料金を安くしてほしい
・ 他の診療所より料金が少し高いようだ
・ 義歯が高い
（他の医院では１～２万円でも義歯を入れてくれると聞いたことがある）
・ 申し訳ありませんが安価な義歯も取り扱って下さい
・ 料金面では高いと評判があるので、人にはなかなか勧めにくい
・ 他の人に料金のことをいうと、高いねえといわれます
・ お金がかかるのであまり人には勧められない
・ 矯正治療の料金をもっと安くしてほしい

上記のように、今回のアンケートでは料金についてのご質問がいくつかみられました。医療機関でお金のことをお話しするのはすこしはばかる面もありますが、大事なことでもありますので、今回はこのことについてもきちんと取り上げようと思います。

まず、保険診療におきましては、保険診療の決まりの中でお支払いをいただいておりますので、一つ一つのコストについては他の医療機関に比べて高いということはありません。ただ、保険の決まりが複雑なために、同じような処置をした場合でも料金に違いが生じることもあります。また、公的機関への届け出によって、加算請求のできるシステムもあり、日吉歯科診療所はさまざまな規定をクリアした上でそれらの届け出が承認されていますので、そうでない診療所の請求と比べると、加算分だけ高い請求になっていることもあります。しかし、その違いはそれほど大きくはありません。

よく、初診時の支払額が高いとご指摘を受けることがありますが、初診時には現状をよく分析し、適切な治療計画を立案するために必要なさまざまの検査をお受けいただきますので、どうしても支払い額が多くなります。しかし、患者さんの口腔の健康を守るためには、その様な情報把握のための検査は必須で、むしろそうしないままに侵襲の多い処置を受けていただくことは、医療機関として許されないことではないかと思っています。ご紹介の折りには、その様な診療所の考え方も一緒にお伝え下さると、大変有り難く思います。
義歯が高いというご指摘もありました。保険で製作する義歯の料金は、保険の決まりどおりにいただいています。ただ、義歯は欠損歯の数や維持装置（歯に引っかけるバネ）の設計によって、個々に料金に違いが生じます。ご意見を寄せられた方が、何を根拠に義歯が高いとおっしゃっているのかは分かりませんが、少なくとも保険で作る義歯に関しては他の診療所と比べて高いと言うことは絶対にありません。

４月から医療費の改定があり、保険でカバーされる診療報酬は引き下げられることになりました。医療機関としては本当に頭の痛い問題です。アメリカと日本の歯科治療費の比較をしてみると、日本の保険診療のコストは、同じ治療をした場合、平均でアメリカの約８％の額しか認められていません。アメリカの歯科医療費の設定は少し高めの傾向はあるのですが、それでも日本の治療費の安さの方が本来は問題です。これではまともな医療の保証につながらないと危惧しています。結果的に日本の歯科医療の貧困さや多くの国民の崩壊された口腔内の問題は、この低いコスト設定そのものにも一因があると考えることもできます。生きてゆく上で大切な口腔の機能を守るための治療に対するコスト設定が低いために、医療を受ける側にも行う側にも治療に対する考え方が安易になっていたかもしれません。
日本では医療費が比較的安いので、病気から身を守ると考えるよりも、不都合ができたら治療で治せばよいと考えてしまいがちでした。しかし、口腔の健康を守ることの方がどれだけ大切なことなのかは、この診療所で治療やメインテナンスをお受けいただいている皆様にはよくご理解いただいていることだと思います。

日吉歯科診療所では、自由診療をご希望になるなどの特別の理由がない限り、保険診療を主体に診療を行っておりますが、その様な状況におきましても、診療の内容や診療所の設備、器具器材の滅菌消毒などにつきましては、欧米の歯科先進国並みまたはそれ以上のレベルで対応できるようなシステムで歯科医療の提供がはかれるように努力いたしております。

さて、日吉歯科診療所が保険の範囲の治療においてもできるだけ責任のもてる医療を実践できているのには訳があります。まず、たくさんの患者さんにきていただいているので、診療時間に無駄がないということです。また、スタッフは診療時間に常にコスト意識を持ち、また診療システムを整えて効率的な診療を目指しています。歯科医師や歯科衛生士がよく訓練され、治療や処置の技術がよいために、治療が手早く確実です。また、開業以来２５年間の医療機関としての信用のおかげで、自由診療を希望される患者さんも増加しています。

他の診療所と違い、週末ごとに院長が日本各地に出かけて行っている講演収入やセミナーの収入があることも強みです。院長個人の収入も診療所に多く投資されている結果、現在のように整備された診療所の経営が成り立っているという側面も否定できません。診療所のこうした努力もご理解いただければ幸いです。

（その他）
・ 院長の話が一方的。もっと患者の気持ちを感じ取りよく話を聞いてほしい。腕がよいのは分かるが、偉そうで上からものをいわれているような感じがする。威圧を感じる（見立てと腕には信頼を置いていますが）。

　このようなご指摘を受け、少々ショックを受けております。院長は東京の下町育ちなので、どちらかというとストレートなものの言い方をします。そのような言い方が、時には強く威圧的に聞こえてしまうこともあるようです。それから、これは少し残念なことなのですが、多くの患者さんの診療に追われているために、伝えたいことを簡潔に話すと、少し断定的な物言いに聞こえることもあるようです。もし、その様なことで気になることがあれば、担当の衛生士やアシスタントに遠慮なくお話下さい。院長に伝えたいと思います。

・ 急に痛くなったとき（夜間など）はどうしたらよいか

　急に痛くなって我慢のできないときには、診療時間内であればすぐにお電話を下さい。状況をお伺いした上で必要があれば来院していただき、応急処置をいたします。夜間や休日の場合は、お手元に痛み止めがあればそれをまず飲んで様子をみて下さい。場合によっては留守番電話に痛みのあることを伝えて下さい。朝または休み明けにご連絡いたします。

・ 全スタッフにネームがあったらいいですね

院長・副院長以外のスタッフは全てユニフォームにネームをつけることになっています。つける場所がまちまちのようですので、胸につけて患者さんにわかりやすいように周知徹底いたします。

・ 廊下などであったときには「こんにちは」の挨拶があればよいと思いますが

恥ずかしがりやのスタッフもいるようですが、いつでも心地よくおいでいただけるように、挨拶は励行したいと思います。スタッフにも周知いたしました。

・ 受付の対応が大変よい
・ 受付の態度が冷たい

相反するご意見もいただきました。受付は診療所の顔でもありますので、来院された患者さんに気持ちよく受診していただくために、できるだけ笑顔で丁寧に接することを心がけております。今後も多くの皆様に好感を持っていただけるよう、受付スタッフ一同再度心構えを新たにいたしました。

以上、アンケートに書かれていました患者さん個々のご意見やご要望について、診療所の考え方や対応を述べさせていただきました。アンケート結果全体につきましても、その結果をグラフ等でわかりやすく表示いたしましたので、合わせてご覧下さい。多くの皆様に支持されている診療所であることを誇りに思っております。今後とも、院長はじめスタッフ一同、地域の皆様の口腔の健康維持に役立てるよういっそうの努力をいたしますので、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。また、来年も、アンケート調査を実施したいと考えておりますので、その折りにはご協力をお願いいたします。

医療法人社団　日吉歯科診療所
理事長　熊谷　崇